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公益社団法人 千葉県看護協会

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千葉県における『新型コロナウイルス感染症』に係る看護職の活動

新型コロナウイルス感染症の終息が見込めない中、現在も各医療機関や施設では対応が続けられています。
様々な領域における、千葉県内の看護職の皆さまの活動や取り組みをご紹介します。

感染管理専門看護師の活動

順天堂大学医学部附属浦安病院

医療安全推進センター

感染対策室 安田 雅一

当院では、COVID-19患者の増加に伴い、2020年2月より「帰国者・接触者外来」、4月からは「発熱外来」を実施している。
「帰国者・接触者外来」は、呼吸器内科と救急診療科で1日2〜3名の診療を行っていたが、患者数の増加に伴い、病院全体での取り組みが必要となった。そこで、一部を除くすべての診療科に協力を依頼し、輪番制で「発熱外来」を実施している。

発熱外来の開設においては、COVID-19は新興感染症であることや感染症治療に不慣れな診療科も担当することから、統一した診療が行えるシステムづくりが必要であった。各種検査は感染症専門医の指導のもと「発熱外来セット」を作成し、担当する医師は同じ内容の検査を実施できるようにした。画像診断は、放射線科の協力のもと検査後速やかに画像を読影し、結果を反映できるようにした。このシステムにより、1日6名の診療が可能となった。

「帰国者・接触者外来」の運用開始に伴い、医師、看護師、その他患者と関わる職員は、感染防御に対する不安・恐怖を抱くことになった。そこで、患者に対応する全ての医療者に対し、個人防護具の取り扱い、着脱の手順について再教育と評価を行った。具体的には、個人防護具の着脱手技や手指衛生のタイミングの確認、N95マスクにおいては、流通不足により平時と異なるタイプが支給されているため、新たなタイプのマスクを使用する時のフィットテストを実施した。

しかし、4月下旬には感染症患者の診療・看護をするために必要な個人防護具が不足し、当院でのこれまでの感染対策を根底から覆す事態となった。当院では、日本環境感染学会のガイドラインを参考に、N95マスクやサージカルマスクはリユースとし、長袖ガウンの使用を制限するなど、診療・看護への影響を最小限とする工夫を行った。個人防護具のリユースや使用制限により二次感染や薬材耐性菌の増加などの不安はあったが、現在まで二次感染は生じていない。

診療や看護に従事する前に、正しい感染対策技術が習得できているか評価することは重要であり、職員の安全の保証と不安の軽減につながっている。また、当院で日常的に取り組んでいる手指衛生の徹底と環境整備の強化対策は、個人防護具が不足する状況下においても、COVID-19による二次感染予防につながっていると考える。

 

一方で、「発熱外来」では自らがロールモデルの役割を果たすことができるよう取り組んでいる。COVID-19患者の対応では、基礎疾患や症状の経過、感染経路などの問診から感染症アセスメントを行い、医師・看護師と情報共有し診療・看護を支援している。また、PCR検査は、採取時の飛沫曝露の危険性があるため出来るだけ自ら採取し、適切な個人防護具の着脱により感染制御が可能であることを実践している。

今後の課題として、患者・家族への感染予防行動の指導があげられる。感染の状況は新たなフェーズに入り、一人一人が正しい感染予防行動を理解し実践する必要がある。そのため、病院または地域を含んだ枠組みで、他施設や保健所と連携し、「新しい生活様式」を基本とした日常生活を送れるよう支援していく必要がある

また、長期化するCOVID-19に対し、感染対策の意識を持ち続け、正しい感染対策技術を継続できるかである。現在、メンタル科を中心に、職員のストレスチェックを実施し、心理的サポートを行っている。感染症看護専門看護師として、各部署の責任者との情報共有や心理士などと連携し、職員の心理的状況を把握することが必要である。職員のストレスをマネジメントし、COVID-19感染対策が継続可能となる環境を整え、安全な医療の提供に努めていきたい。

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外部テント
※一般診療の患者さんと新型コロナウイルス感染が疑われる患者さんの入り口や動線を分けて診療を行っている

感染管理認定看護師の活動

千葉大学病院におけるCOVID-19への対応と看護活動

千葉大学医学部附属病院
感染制御部 看護師長
感染管理認定看護師 千葉 均

2020年1月6日(月)の感染制御部の朝のミーティングの話題は「新型ウイルス」の話題から始まりました。中国から拡大した「新型ウイルス(1月28日:新型コロナウイルス感染症は指定感染症)」について流行が世界的に拡大しつつある中、当院でも新たな感染症に対する対応策を連日協議していました。当院では、2009年に流行した新型インフルエンザ(H1N1)以降、新型インフルエンザ等事業継続計画(BCP)を策定し、管轄保健所とともに患者搬送-受け入れマニュアル(以下マニュアル)や実働訓練を毎年実施しておりました。

患者受け入れの準備として、マニュアルの追加・修正を行い、第2種感染症病床(5床)への受け入れ準備を行いました。また、当院の役割として感染症の重症化への備えとして集中治療室(以下:ICU)の受け入れ準備を整えるとともに、各部署の看護師への教育、個人防護具の着脱トレーニング、患者対応シミュレーションを重ねました。7月31日までに院内で28のマニュアル作成(部署、診療科、委託業者)を支援し、また、教育、トレーニングの実施を継続しています。

患者受け入れについては、患者受け入れの連絡により院内体制を整え専用病棟に入院する、という流れが決まっていましたが、当院での1例目の患者対応は我々の予想とは違い、「疑い患者の直接来院」でした。この場合も想定はしていましたが、急な対応となった総合案内や事務の担当者などの不安の軽減に努め、混乱なく対応できたと思っています。この患者は県内の入院1例目であり、当初は感染経路や感染防止策が未解明であったため、初期対応は感染対策に知識と技術のある感染管理認定看護師が対応にあたりました。発熱・倦怠感・呼吸器症状などを確認し、海外渡航歴など感染の可能性のある経緯、職場内での感染状況を確認しました。新型コロナウイルス感染症を強く疑う症例であったため、速やかに感染症対応の専門外来まで誘導し医師の診察に繋げ、指定感染症に定められた2月1日に入院となりました。その後も、おもに中等症から重症の患者、のべ80名の入院を受け入れており(7月31日時点)、病院施設の状況に合わせたゾーニングや情報の提供など、安全な療養環境、働く職員の安全確保のためのマネージメントを行っています。

新しい感染症への対応は私たち感染管理認定看護師にとっても大きなストレスや悩みがありますが、私たちを支援してくれている看護部や院内メンタルヘルス支援チームの協力を得ながら、自分たちの役割である感染予防対策の実践、指導、相談を通じて、すべての職員が対応できるようになることを目指し、日々活動を行っています。

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重症患者の移送

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帝王切開シミュレーション

地域への感染対策普及活動

~院内、地域の受け入れ体制構築にむけて~

 

地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院
看護局 大塚 玲子

 

<当院の新型コロナ感染症受け入れ状況>

 当院は、香取海匝医療圏で唯一の第二種感染症指定医療機関で、2月12日から、現在までに約50名の新型コロナウイルス感染症の入院を受け入れた。近隣で発生した障害者支援施設のクラスター対応や、死亡退院、濃厚接触者の出産を経験し、手探りのなかでマニュアル作成と改定を繰り返しながら活動している。

 

<院内の活動>

 院内では、病院長を筆頭に、救命科、感染症科、感染対策室、各職種の長、事務職による、対策会議を開催し、5月末までは連日、その後は週2回、県内の発生状況やウイルスに関する最新情報を共有し、院内の課題や体制について協議している。また、多職種が参加する「Stop! Covidチーム」をたち上げ、勤務室や休憩室、仮眠室などをラウンドし、相互チェックにより院内感染防止対策の意識向上を図っている。

産科、小児、透析、精神疾患の受け入れや一般床での発症を想定し、全部署で基本の手洗いやPPE着脱、ゾーニングの訓練を実施している。写真は、産科病棟で、毎朝のミーティングを活用して約5分間、手順を暗唱しながらPPE着脱、手洗い動作のシミュレーションを行っている様子である。(写真)

 受け入れ当初、係るスタッフは、自らが感染する不安や、院内外からの差別的な言葉に強いストレスを感じていた。師長が面接を行い、副看護局長が支援しながら不安に対応した。また、3名の感染管理認定看護師が、入院病棟や発熱外来を担当し、毎日病棟に出向いて感染対策上の課題解決にあたった。6月に実施したアンケートでは、「感染対策がしっかりして頼もしい先輩がいたので不安は感じなかった」「チームワークが強くなった」「他部署や、患者さんからのメッセージや応援が嬉しかった」「社会貢献ができたと実感し自信がもてた」などやりがいにつながる意見も聞かれた。

 

<地域連携による受け入れ体制の拡充>

 保健所と連携し、4月14日に香取海匝医療圏新型コロナウイルス感染症対策緊急病院長会議を開催した。受け入れ病院の拡充を図るため当院の見学をお願いしたところ、近隣23の病院・施設が来院し、病棟や発熱外来の設備、ゾーニング、診察手順、入院経路、PPE着脱場所、廃棄物や配下膳の方法、N95マスクの保管方法など、細かな点まで見学していただいた。

その後、9つの病院が受け入れ体制の整備に取り組み、当院の感染症科医師と感染管理認定看護師が各病院を訪問し、病床や発熱外来の設置状況や感染防止対策について、助言し意見をかわした。7月2日に開催した第2回緊急病院長会議で各病院の取り組みが紹介された。8月8日には近隣の2病院、消防本部と協力して、軽症者を当院から地域の医療機関へ、重症化した患者を当院へ搬送する病院間搬送訓練を行う予定である。

今後は、高齢者・障害者施設、在宅にむけた研修会が計画されており、地域の受け入れ体制をさらに強化していきたいと考える。

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PPE着脱、手洗い動作のシミュレーションを行っている様子

軽症者施設(ホテル)における活動

千葉県立鶴舞看護専門学校
髙瀬 峰子

新型コロナウイルス感染拡大による医療崩壊を防ぐため、千葉県においてもホテルでの軽症者を受け入れています。看護職は保健医療班として、宿泊療養中の軽症者の健康管理、医療相談、PCR検体採取の補助、衛生物品の管理、勤務者の健康管理等を行いました。

ホテル運営は多くのスタッフに支えられていましたが、保健医療班以外は医療職ではありませんので、スタッフへの手指衛生やPPE装着の指導、確認などの感染防止対策も大切な役割でした。物資がそろわず、ディスポーザブルガウンの代わりに長袖のビニールカッパを使用するなど、手に入るものを工夫して利用しました。

療養されている方は、基本的には自立されていますが、ホテル入所前には病院に入院しているなど、長い療養生活を余儀なくされていた方がほとんどで、不安や苛立ちを抱えていらっしゃいました。PCRの結果をお伝えして、やっと退所できるとわかった時の皆さんの声が急に明るく変化するのがとても印象的でした。ご自宅から入所された方のなかには、「自宅にいることで家族に感染させてしまうのではと心配していたけれど、ホテルに入所でき安心した」とおっしゃる方もいらっしゃいました。また、私たちの勤務は1クールにつき1週間ずっとホテルにいたのですが、感染者や医療関係者への偏見を身近に体験しました。

私たちが派遣されたホテルの保健医療班は、開設当初は大学や専門学校の看護教員が中心でした。看護教員は臨床から離れている期間が長いため、入所者の急変時の対応ができるようシミュレーションしたりしながら、不測の事態に備えました。幸いなことに、急変した方はいらっしゃいませんでしたが、日常的に患者対応をしているわけではないので、かなり緊張する日々でした。

看護学校では、新年度に入っても休校が続き、看護学生が登校できない間も学習に遅滞がないよう教員が一丸となって力を合わせ、遠隔授業や課題学習、学内実習などの工夫、対応を行いながら、ホテル勤務者を派遣するための調整を行うなど、これまでにない経験をしてきました。今後も、第2波、第3波に備え、軽症者対応ホテルは重要になってくると思います。この危機状態の中、少しでも患者の皆様の療養を支え、病院の負担軽減の一助になることができていたら幸いです。

中小規模、一般病院での活動

看護管理者として

医療法人社団徳風会高根病院
看護部長  渡辺 郁子

 

当院は4床の陰圧病床を所有する2種感染症指定医療機関になっています。
2009年の新型インフルエンザ患者を受け入れた実績があるのみで、毎年保健所や空港検疫との訓練を実施していたものの当院は民間病院だから・・という思いがありました。
3月になり新型コロナウイルス感染の患者数がおおくなり、毎日テレビからは不安になるような情報が流れていました。前任の看護部長が退職したばかりでした。

「うちに来るかも?」という不安が大きくなっていました。

とにかく、物品がなくなったら大変!と思いマスクと手袋を大量に発注かけました。
陰圧病床業務担当者は毎年各部署から1名ずつ専任していましたが、いざ集合をかけ、状況説明とオリエンテーションを始めた矢先、メンバーから体調不良や持病があるからと辞退する看護師の申し出が続出しました。結局3人の看護師で24時間体制とすることにし、病院側には病棟の状況を考えて自立の患者を受け入れてほしい旨を伝え準備を進めました。「絶対看護師を感染させてはいけない」という思いだけで準備を進めました。安全が確保されなければ、業務につく看護師がいなくなると思っていました。陰圧の設定は十分か、以前備蓄していたPPEの確認、ゴーグルの数はどうか、早い時期だったので十分な数は確保できました。

3月28日、当院1人目の患者受け入れの時は24時ごろの受け入れにも関わらず、院長・事務長・レントゲン・検査科・看護部と関係部署が不安を抱きながら待機していました。
その後は、手探り状態で国からの情報を密にし、検査科の協力で1つ1つマニュアルを作成しては、すぐ改訂して・・の毎日でした。とにかく職員を感染させてはならない・・の思いだけでした。
陰圧病床の業務にあたった看護師のストレスは大きく、毎日のように不安を訴え、他の看護師からは誹謗中傷にも取れるような言葉が聞かれ、みんな不安だから・・とわかっていても私自身口調がきつくなる時もありました。私が一番不安だったかもしれません。

そんな中でも理事長、院長が小さな事でも声掛けをしてくれ、全職員に対して誹謗中傷は絶対良くないこと、病院が置かれている責任や立場を紙面や口頭で何度となく話して頂きました。
職員は徐々に落ち着きを取り戻していったように思えました。
施設基準上、ぎりぎりの職員でやっている部署が多いため、そこから陰圧病床担当者が抜けることは病棟の調整にもかなりの負担が生じる事態が続いています。

毎日、試行錯誤しながらの業務です。外来の患者さんも従来の数に近いぐらいになり、業務が多重になってきました。早く収束してくれないかなと願いながら、物品の在庫を確認し職員の不安に共感している毎日です。

介護施設等における取り組み

~感染防止に向けて~

ナーシングプラザ流山
看護部長 舘野 薫

コロナ禍、日々感染者数拡大しており、介護老人保健施設は集団感染のリスクが非常に高い事から「施設にウイルスを持ち込まない!」を徹底し、利用者様が安心してリハビリや療養できるよう努めております。

詳細はこちらをご覧ください

施設内への感染経路の遮断
  • 職員の健康管理
  • 密の遮断
  • 利用者様・ご面会者の健康観察
  • 入所利用者様の外出・外泊について
研修について
送迎車について
座席について
換気と消毒について
Webによる面会
職員の教育と啓蒙
衛生材料の備蓄

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職員の健康管理

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Webによる面会

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衛生材料の備蓄

訪問看護ステーションにおける取り組み

生活クラブ風の村 訪問看護ステーション稲毛

所長 野老 道代

当施設は、訪問看護ステーションの他、サポートハウスやショートステイの併設、介護ステーション、ケアプランセンター等同施設内に様々な部署があります。そのため、これまでも組織内で感染対策委員会を月一回定期開催しておりました。新型コロナウイルスの問題が浮上してきてからは定期開催以外に臨時で開催し、施設としての新型コロナウイルスに対する対策や方針、マニュアル化を可視化できるよう各部署が取り組んでいます。

1.組織または訪問看護ステーションとして、可視化できるように取り組んできたこと

(組織共有)

1)新型コロナウイルス感染者発生の場合の組織内、および利用者、地域への連絡、広報対応指針

2)感染症発生時の対応

①経緯の記録 ②従業者への情報の共有と役割分担、注意事項を速やかに配信 ③拠点感染対策委員会の指揮系統に従って伝達 ④フローチャートに従って主治医、行政への速やかな連絡と対応依頼 ⑤保健所・災害対策本部と連携後ホームページでの情報開示 ⑥フォーマットを活用し利用者、家族、関係機関への文書による情報と対応開示 ⑦感染者の従業員、濃厚接触者となった従業員への心のケア ⑧役割分担と管理の明確化 ⑨濃厚接触者である従業員の2週間待機期間の理由 を予め事業所内、法人内で共有する。

3)訪問系サービスの新型コロナウイルス感染症対策(訪問時の手順等)

(訪問看護ステーション)

1)感染が疑われた場合の連絡、対応方法をフローチャート化(別紙1)

2)感染症トリアージ表を作成し利用者一覧にすることでリスクの程度を把握する

3)全利用者様の宛てに感染症対策へのお知らせとお願いの説明書を作成、説明同意を頂く(別紙2)

 

2.他、勤務の仕方や訪問時に行っていること

1)毎日、出勤前と午後の勤務前に体温測定、体調確認し所長に報告する

2)スタッフはタブレットを持ち歩き訪問しているため、直行直帰、昼も事務所には戻らない            

3)事務所作業がある場合は基本30分以内とする

4)パソコンや電話など机上を消毒、事業車に乗る前後にハンドル等手の触れる場所を消毒清拭

5)フェイスシールドを各自持参、訪問時に装着。

6)訪問前後ご利用者様宅にてうがい、手洗い励行、1ケア毎に手指アルコール消毒

7)独自の防護服着脱装方法を動画で共有

日本看護協会からの情報発信

日本看護協会のホームページ(新型コロナウイルス感染症での看護職の活動)は、こちらをご覧ください。